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【固定IPアドレスとは】どうやって取得するの?動的IPアドレスとの違いは?
IPアドレスとは、インターネットに接続する機器に割り当てられる番号で、インターネット上の住所のようなものです。
IPアドレスには以下のような種類があります。
- プライベートIPアドレス:自宅や会社などの内部ネットワークで使われるIPアドレス。インターネットに直接接続できない。
- グローバルIPアドレス:インターネット上で一意に決まるIPアドレス。インターネットに接続するために必要。
- 静的IPアドレス:変化しないIPアドレス。サーバーやカメラなど固定的に使う機器に割り当てられる。
- 動的IPアドレス:時間や場所によって変化するIPアドレス。パソコンやスマホなど一時的に使う機器に割り当てられる。
固定IPアドレスとはこの中の静的IPアドレスに該当します。
コロナ過以降のリモートワークの普及に伴い、自宅から社内システムにアクセスする際など、固定IPアドレスが必要となる機会も増えています。
「固定IPアドレスってなに?」
「どうやって取得すれば良いの?」
などの疑問を持たれたことのある方や、現在直面していらっしゃる方もいるでしょう。
そこで本記事では、固定IPアドレスとはどのようなものなのか、動的IPアドレスとの違い、取得方法などについて解説していきます。
※本記事で紹介する情報は2023年2月時点の情報です。
※本記事で紹介する料金は特別な記載がない限りすべて税込み表記です。
固定IPアドレスとは
固定IPアドレスは、簡単に言うとネットワークに何度接続をしてもずっと同じIPアドレスを使い続けられる仕組みです。
これに対して、動的IPアドレスは、ネットワークに接続するたびにIPアドレスが変わってしまう仕組みになっています。
社内システムにアクセスするのに固定IPアドレスを求められるのは、外部からのアクセスの際にIPアドレスで制限をかけて不正なアクセスを防止するためなどの理由からです。
動的IPアドレスでは接続のたびにIPアドレスが変わってしまうため、関係者のアクセスかどうか特定ができないですよね。
そのため、固定IPアドレスが必要になります。
固定IPアドレスが必要になるケースには以下のようなものが挙げられます。
- 自社で使っているサーバに外部からアクセスできるようにする場合
- テレワークで社内のファイルサーバやメールサーバにアクセスする場合
- オンラインゲームや動画配信などで自分の機器を公開する場合
- リモートカメラやIoTデバイスなどを遠隔操作する場合
など
動的IPアドレスとの違い-メリット・デメリット-
前述でもわかるように、固定IPアドレスと動的IPアドレスの違いはその名の通り、IPアドレスが「固定されている」か「変動する」かの違いです。
では、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
以下の表で見てみましょう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
固定IP | ・外部から自分の機器にアクセスしやすい ・通信が安定する ・セキュリティが高い ・ドメイン名と紐付けられる ・VPNやリモートデスクトップなどの利用が可能になる | ・費用がかかる ・設定が複雑になる ・IPアドレスの枯渇が進む ・ウイルスやハッキングなどの攻撃対象になりやすい |
動的IP | ・費用がかからない ・設定が簡単 ・IPアドレスの有効活用ができる ・ウイルスやハッキングなどの攻撃を回避しやすい | ・外部から自分の機器にアクセスしにくい ・通信が不安定になることがある ・セキュリティが低いことがある ・ドメイン名と紐付けられない |
それぞれの詳細を見ていきましょう。
固定IPアドレスのメリット
外部から自分の機器にアクセスしやすい
固定IPアドレスは、常に同じIPアドレスを持つため、外部から自分の機器に直接アクセスすることができます。
例えば、自宅やオフィスにあるサーバーやカメラなどにリモートで接続したり、自分のウェブサイトやメールサーバーを運用したりすることが可能になります。
通信が安定する
固定IPアドレスは、動的IPアドレスと違ってIPアドレスが変わらないため、通信が途切れることがありません。
また、固定IPアドレスは専用回線などと組み合わせることで、高速で安定した通信の実現も可能になります。
セキュリティが高い
固定IPアドレスは、特定のIPアドレスからしか通信を受け付けないように設定することができます。
これにより、不正なアクセスや攻撃を防ぐことができます。
また、SSL証明書などの取得や更新も容易です。
ドメイン名と紐付けられる
固定IPアドレスは、自分の好きなドメイン名と紐付けることができます。
これにより、ユーザーに覚えやすいURLを提供したり、ブランディング効果を高めたりすることができます。
VPNやリモートデスクトップなどの利用が可能になる
固定IPアドレスは、VPNやリモートデスクトップなどのサービスを利用する際に必要です。
これらのサービスで、外出先からでも社内ネットワークに接続したり、他の機器を操作したりすることが可能になります。
固定IPアドレスのデメリット
費用がかかる
固定IPアドレスは、動的IPアドレスよりも費用がかかります。
一般的には月額数百円から数千円程度です。また、固定IPアドレスを利用する場合は専用回線やルーターなども必要になる場合があります。
設定が複雑になる
固定IPアドレスは、動的IPアドレスよりも設定が複雑になります。
例えば、ルーターやファイアウォールなどの設定や管理を行う必要があります。
また、固定IPアドレスを利用する場合はDNSサーバーなども自分で運用する必要がある場合もあります。
IPアドレスの枯渇が進む
固定IPアドレスはインターネット上の機器を一意に識別するために必要な番号であり、その数は有限です。
そのため、固定IPアドレスを利用すると、その番号は他の機器に割り当てられなくなります。
したがって、固定IPアドレスの需要が増えると、利用可能な番号が少なくなり、やがて枯渇してしまう可能性があるということです。
ウイルスやハッキングなどの攻撃対象になりやすい
固定IPアドレスはIPアドレスが変わらないため、攻撃者に標的として特定されやすくなります。
そのため、固定IPアドレスはDNSサーバ攻撃に弱く、ウイルスやハッキングなどの攻撃対象になりやすいので、固定IPアドレスを利用する際は、同時にセキュリティの強化も考える必要があります。
動的IPアドレスのメリット
費用がかからない
動的IPアドレスは、インターネットに接続するたびにプロバイダから自動的に割り当てられるIPアドレスで、プロバイダが管理するIPアドレスのプールから空いているものを利用するため、特別な申し込みや料金が必要ありません。
プロバイダの通常の利用料はかかります。
設定が簡単
動的IPアドレスは、自動で割り当てられるため、ネットワーク管理者が手動で設定する必要がありません。
また、IPアドレスの競合や重複を防ぐこともできます。
IPアドレスの有効活用ができる
動的IPアドレスは、使用されていないIPアドレスを一時的に割り当てることで、IPアドレスの範囲内で最大限に利用することができます。
必要な時に必要な分のIPアドレスを使いまわすイメージです。
ウイルスやハッキングなどの攻撃を回避しやすい
動的IPアドレスは、インターネットに接続するたびにIPアドレスが変わる方式です。
そのため、攻撃者がIPアドレスを特定しにくくなり、ウイルスやハッキングなどの攻撃を回避しやすくなります。
動的IPアドレスのデメリット
外部から自分の機器にアクセスしにくい
外部から自分の機器にアクセスするためには、自分の機器のIPアドレスを知っている必要があります。
そして、動的IPアドレスでは、インターネットに接続するたびにIPアドレスが変わるため、外部からアクセスするには常に最新のIPアドレスを把握しておかなければなりません。
また、外部から自分の機器に接続する際には、ルーターなどの設定も必要ですが、動的IPアドレスでは設定が複雑になる場合があります。
通信が不安定になることがある
動的IPアドレスでは、インターネットに接続するたびにIPアドレスが変わるため、ネットワーク上の住所が変わってしまいます。
そのため、通信の宛先を正しく決定することができなくなり、回線速度が遅くなったり、接続できなくなったりする可能性があるのです。
また、動的IPアドレスでは、他の機器と同じIPアドレスを割り当てられることもあり、これはIPアドレスの競合と呼ばれ、通信障害の原因になります。
セキュリティが低いことがある
動的IPアドレスは、常に識別番号が変わっていくため、特定のIPアドレスを信頼できるかどうかを判断することが難しくなります。
そのため、不正なアクセスなどがされやすくなる可能性があります。
ドメイン名と紐付けられない
動的IPアドレスは、インターネットに接続するたびに変わるため、ドメイン名と紐付けられていても、IPアドレスが変わったらドメイン名からホストにアクセスできなくなります。
これを解決するためには、ダイナミックDNSという仕組みを利用する必要があります。
ダイナミックDNSは、IPアドレスが変わるたびにDNS情報を自動的に更新してくれるサービスです。
固定IPアドレスの取得方法
固定IPアドレスの取得方法は、以下の2つがあります。
- オプションで固定IPアドレスが選べるプロバイダに申し込んで契約する方法
- 固定IPアドレスに対応しているSIMを契約する方法
- VPNを利用した固定IPアドレスの提供サービスを利用する
①の場合、通常の月額料金に固定IPアドレスの利用料金などが加算される場合が多いです。
固定IPアドレスに対応しているプロバイダは、OCNやGMO、フリービットなどがあります。
固定IPアドレスの設定方法は、プロバイダによって異なりますが、一般的にはルーターの設定画面から行うことができます。
②の場合、SIMカードを挿入した端末に固定IPアドレスが割り当てられます。
どちらの方法も、プロバイダやSIM会社によって提供されるサービスや料金が異なりますので、事前に確認しておきましょう。
③の場合はインターネットに接続する際に仮想的なトンネルを作り、固定IPアドレスが割り当てられます。
この方法の場合、利用する回線やプロバイダに関係なく固定IPアドレスが使えたり、セキュリティも高く情報漏洩などを防げたりなどのメリットがあります。
それぞれもう少し詳しく見てみましょう。
オプションで固定IPアドレスが選べるプロバイダに申し込んで契約する方法
オプションで固定IPアドレスが選べるプロバイダには、以下のようなものがあります。
- インターリンク
- GMOとくとくBB
- ASAHIネット
- かもめインターネット
上記は一例ですが、これらのプロバイダであれば固定IPアドレスを月額500円~1,000円程度で利用できます。
設定も簡単で、例えばGMOとくとくBBの場合、プロバイダから届いた接続IDとパスワードでインターネットの接続設定をすればそれで設定完了です。
以下に固定IPアドレスの提供をしているプロバイダをご紹介しておきますので、取得先をお探しの方はご参考までにどうぞ。
固定IPアドレスに対応しているSIMを契約する方法
固定IPアドレスに対応しているSIMのサービス会社には、以下のようなものがあります。
- インターリンク
- AIRSIMモバイル
- ASAHIネット
- イプシム
上記は一例ですが、これらのSIMは月額500円~1,000円程度で固定IPアドレスを利用できます。
ただし、以下の点に注意してください。
- 通信速度や通信量に制限がある場合がある
- SMSや音声通話ができない場合がある
- SIMフリー端末やドコモ端末が必要
固定IPアドレスに対応しているSIMの設定は基本的に利用する端末にSIMカードを挿入するだけです。
以下に固定IPアドレスの提供をしているSIMをご紹介しておきますので、こちらもご参考までにどうぞ。
VPNを利用した固定IPアドレスの提供サービスを利用する
VPNを利用した固定IPアドレスの提供サービスを利用する場合、取得までは以下の流れです。
- VPNサービスに登録する
- 固定IPアドレスを購入する
- VPNクライアントソフトウェアをインストールする
- VPNサーバーに接続する
これで、自分専用の固定IPアドレスが使えるようになります。
以下に固定IPアドレスの提供をしているVPNをご紹介しておきますので、こちらもご参考までにどうぞ。
まとめ
ここまでご覧いただいて、固定IPアドレスとはどのようなものか、ある程度お分かりいただけましたでしょうか。
簡単にまとめると、IPアドレスはインターネットに接続する機器に割り当てられる住所のようなもので、固定されて変わらないIPアドレスが固定IPアドレス、接続するたびに変動するIPアドレスが動的IPアドレスになります。
固定IPアドレスを取得する方法は
- 固定IPを提供しているプロバイダを契約する
- 固定IPを提供しているSIMを契約する
- 固定IPを提供しているVPNを契約する
主に上記の3通りです。
筆者個人の意見としては、一つ目の固定IPアドレスを提供しているプロバイダを契約するのがシンプルで簡単なのでおすすめです。
最後に、ご紹介したそれぞれの申し込み窓口をまとめておきますので、申し込み先をお探しの方は参考にしてみてください。