店舗のWiFiがつながらない・遅い！原因と改善策を徹底解説

2025年2月28日

店舗のWiFが「つながらない・遅い」とお悩みではありませんか？

WiFi環境のトラブルは、店舗の作業効率を落とし、顧客の不満を生む深刻な問題です。通信を妨げる原因は、多岐にわたります。まず手軽な課題から対策することが、効率よくネット環境を改善できるようになります。

本記事では、店舗でWiFiの通信不良が起きる原因を明確にして、手軽な改善策から回線見直しまで、対処法を徹底解説します。

最後まで読めば、WiFiがつながらない・遅い原因がわかるようになり、自分で対処できるようになります。

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店舗のWiFiがつながらない・遅い原因とは？

店舗のWiFiがつながらなかったり遅かったりする原因は、環境によりさまざまです。

始めに確認すべき原因を、以下に解説します。

アクセスポイントが遠い・障害物がある
デバイスに問題がある
ネットワーク機器に問題がある
建物内の配線に問題がある
電波環境に問題がある
同時接続端末が多過ぎる

簡単な見直しで通信が改善するケースもあるので、チェックしてみましょう。

アクセスポイントが遠い・障害物がある

アクセスポイントとは、送られてきた通信データを電波にして端末に発信する機器のことです。Wi-Fiルーターと一体となっている場合が多いです。

アクセスポイントから離れた場所では、電波が弱まるため接続が不安定になります。

また、コンクリート壁や金属製の棚など電波を遮る障害物があると、たとえ距離が近くても通信速度が遅くなります。特に階をまたぐと、速度が低下しやすくなるため、要注意です。

デバイスに問題がある

古いスマートフォンやPCは最新のWiFi規格に対応しておらず、通信不良を起こす恐れがあります。最新WiFi規格「Wi-Fi7」に対応した無線ルーターを使用しても、デバイスが対応していないと期待した通信速度は出ません。

また、デバイス側のWiFi設定が適切でないケースもよく見られます。IPアドレス取得の設定が手動になっていないか、無関係なネットワークに接続していないかなどを確認しましょう。

改善しない場合は、利用可能なネットワークを表示し、該当するWi-Fi名をいったん削除してみましょう。次に再度接続を試みると、つながる場合があります。

ネットワーク機器に問題がある

ネットワーク機器に問題があり、通信不良を起こしているケースがあります。長時間使用によって熱くなった無線ルーターは、故障しないように自動的に通信速度を落とすことがあります。

また、

ルーターのファームウェア（ルーターの内部ソフトウェア）が最新のバージョンかどうかも確認しましょう。

建物内の配線に問題がある

店舗のWi-Fi接続が遅い原因の一つに、建物内の古い配線方式があります。

一部に電話回線を使用したVDSL方式や古いLANケーブル方式などは、高速なインターネット通信には不向きです。特に複数の端末を同時に接続する環境では、つながらない・遅いといった影響が出る恐れがあります。

電波環境に問題がある

電子レンジやBluetooth機器など他に電波を発するものがあると、電波干渉を起こし通信速度が低下する恐れがあります。金属製の棚や大型冷蔵庫などが電波を反射することで、悪影響を及ぼすケースもあります。

また、近隣の建物から漏れてくる電波と干渉してしまうケースもあるので、注意が必要です。

同時接続端末が多過ぎる

Wi-Fiに同時接続する端末数が多過ぎると、限られた帯域幅（電波の通り道）が圧迫され、通信速度が低下する恐れがあります。

複数のPC、スマートフォン、タブレット、POS端末などが同時に接続される喫茶店などでよく起こる現象です。安定した高速通信を行うには、目安として接続数の2倍の同時接続性能を持つルーターが推奨されます。

店舗のWiFiがつながらない・遅いときの具体的な対処法

WiFi環境が良くないときの具体的な対処法を、以下に解説します。

①デバイス・無線ルーターを再起動する
②ルーターの設置場所を改善する
③WiFi接続設定を確認する
④既存の通信機器を新しい規格に買い替える
⑤中継器・メッシュWiFiを導入する

取り組みやすい順に紹介しますので、それぞれ試してみましょう。

①デバイス・無線ルーターを再起動する

Wi-Fi接続がつながらない・遅い場合は、まずデバイスや無線ルーターを再起動してみましょう。長時間使用でルーター内にアクセスログが溜まりすぎる、熱が原因で内部の処理が遅くなる、などの問題を解決できます。

電源を落としたら、10分程度放置してから再び電源を入れましょう。

②無線ルーターの設置場所を改善する

無線ルーターの設置場所を工夫するだけで、通信状態が改善するケースがあります。まず、床から1～2m程度の設置場所を探します。できるかぎり店舗の中央に近い所に設置できれば理想です。

また、電波を吸収してしまう水槽や、逆に遮断してしまう厚い壁の近くは避けましょう。電子レンジやコードレス電話など、電波干渉を起こす恐れのある機器から離すことも重要です。

③WiFi接続設定を確認する

Wi-Fiがつながらない・遅い場合は、ルーターやデバイスの設定が誤っている恐れがあります。以下のポイントを確認し、設定を見直しましょう。

パスワードと接続先ネットワークを確認

まず、パスワードが変更されたり、誤入力されていないかを確認しましょう。大文字と小文字の混同（Lとl）、類似する文字の混同（Oと0）などは、よくある間違いです。

キーボードの「Num Lock」キーがオフになっていて数字が入力できていなかったなどの誤りにも要注意です。

また、デバイスが2.4GHzと5GHzのどちらのネットワークに繋がっているかを確認しましょう。

2.4GHzと5GHzでは電波特性が異なるため、意図しないネットワークに接続していると通信が不安定になる場合があります。

プロキシ設定やVPNを確認

企業で使われるデバイスで、プロキシ設定やVPNが有効になっていると、Wi-Fiに安定して接続できません。また、セキュリティアプリを使用している場合でも、Wi-Fiの通信が制限されることがあります。

一時的に無効化して、動作を確認してみましょう。

IPアドレス設定を見直す

Wi-Fiに接続してもインターネットにつながらない時は、デバイス側でIPアドレスの取得方法が誤っている恐れがあります。

一般的な使用においては、IPアドレスは「自動取得」に設定するのが推奨されます。手動に設定するとつながらなくなる恐れがあるため、デバイスの設定画面で「自動取得」になっているかを確認しましょう。

④既存の通信機器を新しい規格に買い替える

WiFi環境を改善するためには、通信機器を高速対応の新しい規格に買い替えるのが有効です。具体的には、各デバイスに電波を送る無線ルーターを、Wi-Fi6対応のものに買い替えることです。

古い無線ルーターは通信速度や安定性が新しいものより低く、環境によってはつながりにくい原因になります。Wi-Fi6規格に対応した機種であれば、安定した高速通信が期待できます。

無線ルーターは、回線工事をした際に設置された２つの機器のうちの一方です。製品名や裏面の記載を確認してみましょう。

ただし、選ぶ際は契約しているプロバイダーや回線（CATV・VDSLなど）に合わせてルーターを選ぶことが重要です。回線そのものが低速だと、新しい無線ルーターの性能を十分に活かせない恐れがあります。

光回線の場合、無線ルーター機能が内蔵された通信機器（ONU）を回線業者が無償で貸し出しているところもあります。2つの通信機器がひとつにまとまるので便利です。

⑤中継器・メッシュWiFiを導入する

Wi-Fi電波が店舗内の一部で弱い場合は、Wi-Fi中継器やメッシュWi-Fiの導入も効果的です。Wi-Fi中継器は、ルーターの電波を受信して再送信し、通信範囲を広げます。比較的安価で、導入が簡単なのがメリットです。

中継器を設置する際は、ルーターと接続したい端末の中間地点に配置し、スムーズに電波を受発信できるようにしましょう。

一方、メッシュWi-Fiは、複数のアクセスポイントを設置し広範囲に安定したWi-Fiを提供するシステムです。

中継器とは異なり、各アクセスポイントとデバイスの接続が移動に合わせて自動的に切り替わります。通信が途切れにくいのが特徴で、広い店舗や複数フロアの店舗に適しています。

回線そのものが低速だと、中継器やメッシュWiFiの性能を十分に活かせない点は、無線ルーターと同様です。

現状の店舗のWiFi環境を診断する

機器を見直してもWiFi環境が改善しない場合は、無料の速度測定ツールを使い、WiFi回線の速度を診断してみましょう。明らかに回線速度が不足している場合は、新しい高速回線の導入がおすすめです。

回線速度を測定する
新しい回線を導入する

回線速度を測定する

スピードテスト.jpを使うと、データのダウンロード・アップロード速度を確認できます。一般的に回線速度はダウンロードが30Mbps以上、アップロードが10Mbps以上あれば、ほとんどのサービスを快適に利用できます。

用途別に必要な回線速度を以下に解説しますので、現状の速度と照らし合わせてみましょう。

【ダウンロード】

用途	必要な回線速度
メール/LINE/SNS	1Mbps
ネット検索	1〜10Mbps
動画視聴	5〜30Mbps
オンラインゲーム	30Mbps～100Mbps

【アップロード】

用途	必要な回線速度
メール/LINE/SNS	1Mbps
SNS写真投稿	3Mbps
動画アップロード	10Mbps
Web会議	10〜15Mbps
オンラインゲーム	30Mbps～100Mbps

新しい回線を導入する

新しい回線を導入し、同時に無線ルーターも入れ替えれば、通信不良に関する不安が一掃できるのでより安心です。

店舗で導入できる高速回線には、光回線、ホームルーター、ポケット型WiFiなどがあります。それぞれの回線の特長を解説します。

回線タイプ	特長
光回線	・高速かつ安定した通信が可能で、大人数の同時接続や大容量通信に適している・データ通信量に制限がない・工事が必要
ホームルーター	・光回線より初期費用が安い・工事不要ですぐに利用できる・速度や安定性が電波状況に左右される
ポケット型WiFi	・すぐに利用できて外にも持ち運びできる・月額料金が比較的安い・速度や安定性が電波状況に左右される