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この時代にFAXは必要?不要?【法人・個人事業主向け解説】
新たに開業する際や店舗・事務所を開設する際には、固定電話やFAXの設置を検討される方も少なくないでしょう。
携帯電話の普及に伴い、一般家庭では固定電話を設置する家庭もかなり減少傾向にあり、FAXを利用している家庭というのもかなり減ってきています。
そのため、開業にあたって
「固定電話はまだしもFAXって必要?」
「インターネットさえあればメールやSNSでデータで送れるからFAXは不要では?」
などと悩まれる方も少なくないでしょう。
しかし、事業を行う上ではFAXはまだまだ必要とされている業種も多く、現在も様々な業種で利用されています。
本記事ではFAXの必要性について解説していきます。
FAXが必要とされる業種や業務は?
まずはFAXが必要とされている業種やFAXを利用する業務について見ていきましょう。
FAXが必要とされる業種
FAXの利用が多い業種には主に以下のような業種が挙げられます。
- 卸売業
- 運輸・倉庫業
- 不動産・建築・インテリア業
- 医療機関・介護事業者
- 士業
それぞれで必要とされている理由を見ていきましょう。
卸売業
卸売業では発注書や在庫確認のやりとりなどでFAXが利用されることが多くなっています。
卸売業の顧客には個人商店など小規模な店舗も多く、店主が高齢ということも少なくありません。
そのため、インターネットやメールを使った注文に対応しきれず、FAXが必要とされるケースも多いのです。
運輸・倉庫業
運輸業や倉庫業では伝票類や依頼書のやり取りがFAXで行われることが多くなっています。
メールでのやり取りだと見落としや確認もれが発生する可能性があるというのが理由の一つのようです。
不動産・建築・インテリア業
不動産業界では物件情報のやりとりなどで頻繁にFAXが利用されます。
大家さんや職人さんがメールやクラウドストレージなどのサービスに疎いことが多く、そういった理由から全体的にFAXでのやり取りが主になっているようです。
また、物件を探しに来店しているお客さんに物件情報を開示する際にも、メールで物件情報を取り寄せると印刷が必要だったり二度手間が発生しますが、FAXであれば受信したものをそのまま見せることができるというメリットもあります。
不動産に限らず、建築業やインテリア業など図面のやりとりが多い業界ではFAXの需要がまだまだ高いようです。
医療機関・介護事業者
病院などの医療機関でもFAXが頻繁に使われています。
医療機関で使うパソコンやタブレットはセキュリティ上の観点から基本的にはインターネットには接続されていません。
そのため、書類などのやりとりにはメールよりもFAXが使われます。
介護業界においてもFAXが使われることが多いようです。
士業
司法書士や行政書士などの士業でもFAXが良く使われます。
公証役場や入国管理局への連絡が基本的にFAXになるからです。
社労士の場合も年金事務所等への連絡にはFAXがあった方が良いとされています。
士業に限らず行政機関や不動産業界との連絡がある場合にはFAXの必要性は高いと言えるでしょう。
FAXが必要とされる業務
FAXが必要とされる業務には下記のようなものが挙げられます。
- 法人間のやりとり
- 顧客とのやりとり
- 行政機関とのやりとり
- 報道機関へのプレスリリース
- 従業員の勤怠管理
こちらもそれぞれ見ていきましょう。
法人間のやりとり
法人間でのやりとりではメールでのやり取りやクラウド型サービスで情報のやりとりをすることが主流にはなっていますが、FAXが必要とされるケースも少なくありません。
日本を代表する通信事業者のNTTでさえ代理店とのやりとり等で未だにFAXを利用をすることがあります。
取引先によっては「重要書類はFAX」でというところもまだまだあるでしょうから、事業を行う上でFAXは必要となることは少なくないでしょう。
顧客とのやりとり
顧客とのやりとりでもFAXが必要となるケースは少なくありません。
特に客層が年配の方が多いような事業の場合、パソコンやスマホの使い方やメール、SNSの活用方法が良くわからないという人もまだまだ多いです。
耳の不自由な方なども電話での問い合わせが出来ずにFAXが必要となる場面も想定できます。
様々な客層に対応できるようにしておくためにも、FAXは必要と言えるでしょう。
報道機関へのプレスリリース
報道機関へのプレスリリースを配信する際にもFAXが利用されることが少なくありません。
プレスリリースを配信する際にはメールで送信するよりもFAXの方が相手の目につきやすいというメリットがあります。
メールだと他のメールに埋もれて気づいてもらえないケースや、件名で興味をひかれなければ開封すらされないということも容易に想像できます。
そのため、報道機関や記者クラブなどにプレスリリースを配信する際にはFAXが使われるケースが多いのです。
社員の勤怠管理
派遣会社など、従業員が他社の事務所など自社以外の場所で勤務している場合にFAXで勤怠管理が行われるケースがあります。
派遣先が勤務地から派遣会社へ出勤簿をFAXで送信するなどの使い方がされています。
業務日報や報告書などをFAXで送信するというケースもあります。
その他
上記に挙げた以外にも、特定の契約書や許認可申請書、納税申告書などの法的書類を提出する際にFAXが使用されたりします。
病院やクリニックでは患者の医療記録や検査結果、処方箋などを迅速に送受信するためにFAXが利用されます。
この他にも保険関係の申請書類の送受信にFAXが使われたり、前述にあったような建設や不動産業界での図面などのやりとり、小売・卸売業、製造業などでの発注書のやりとり、金融機関での書類の送受信、教育機関での成績証明書や推薦状などの書類送信にもFAXが使われることがあります。
事業を行う上ではFAXはまだまだ必要だと言えるでしょう。
事業用FAX番号 4つの取得方法
一言にFAXと言ってもFAXを設置する際のFAX番号の取得方法はいくつかあります。
FAX番号の取得方法は主に以下の4つの方法が挙げられます。
- アナログ/ISDN回線
- ひかり電話
- IP電話
- インターネットFAX
それぞれの特徴やメリット・デメリットを見ていきましょう。
アナログ/ISDN回線
アナログ回線やISDN回線は5つの方法の中で最も古いサービスでひと昔前に主流だったサービスで、通信にはメタル線(銅線)を使用しています。
アナログ回線の電話は「加入電話」ともよばれ、ISDNは「INSネット」とも呼ばれます。
事業用としての利用においての主なメリットは以下の2つです。
- 通常の市外局番で利用ができるので信頼性が高い
- 電話のモジュラージャック(ISDNの場合はターミナルアダプタ)から電話機(又はFAX機)に電話線をつなぐだけで利用できるので簡単
逆にデメリットには以下のようなことが挙げられます。
- インターネット回線として利用する場合には低速すぎる
- アナログ回線(加入電話)の場合は電話番号が1つしか使えない(ISDNは2つ利用可能)
- ナンバーディスプレイや転送電話などのオプションサービスが高い
また、以前は高額な加入権を購入する必要がありましたが、現在は施設設置負担金という形で39,600円で加入できるようになっております。
アナログ・ISDN回線ともにライトプランという施設設置負担金が不要のタイプもありますが、この場合は月額料金が少し高くなります。
加えて、事業用ですとオプション料金も高くなります。
例えば相手の番号が表示される「ナンバーディスプレイ」は住宅用やひかり電話の場合は月額440円のところが、加入電話で1,320円、ISDNだと1,980円になり、不在時の着信を携帯などに転送できる「ボイスワープ」は住宅用やひかり電話の場合で550円のところが加入電話/ISDNともに880円となります。
不在着信にかけなおす際や、事務所や店舗に不在の時にも顧客からの電話を取れるようにしたい場合などに必要なサービスも高くついてしまうのもあまりおすすめはできないポイントです。
また2024年1月1日をもってこれらのサービスはIP網に移行となっております。
伴って通話料金は距離に応じて変動することが無くなり、全国一律で9.35円/3分となりました。
その他一部使用が変更になったり、段階的に提供サービスが終了していく予定もあるとのことです。
詳しくはNTT東日本のこちらのページ(外部サイト)をご確認ください。
ただし、IP網移行後も通話サービスはそのまま利用できますので「固定電話が使えなくなる」や「電話機やFAX機の買い替えが必要」という連絡は基本的に詐欺(黒電話やピンク電話など一部使えなくなる電話機もある)ですのでご注意ください。
ひかり電話
ひかり電話は光回線をつかった電話のサービスです。
固定電話やFAX番号においても、インターネットの利用においても現在は光回線が主流となっています。
ひかり電話のメリットは以下のようなことが挙げられます。
- 通話品質が良い
- 通信料(通話料やFAX送信料)が一律
- 電話番号+FAX番号など複数の電話番号を取得可能
- 通常の市外局番で利用ができるので信頼性が高い
- インターネットを利用する場合も光回線の高速通信で利用可能
- 光電話ルーターから電話機(又はFAX機)に電話線をつなぐだけで利用できるので簡単
- ナンバーディスプレイや転送電話などのオプションサービスが安く、セットプランもある
デメリットには以下のようなことがあります。
- 光回線の開通工事が必要(工事費22,000円)
- 停電時は利用できない
ひかり電話の場合は通常プランでも3番号までは取得することが可能(同時通話は2チャネルまで)で、3番号以上利用したい場合もオフィスプランで契約をすれば3番号以上の利用も可能です。
また、「ナンバーディスプレイ」も440円、「ボイスワープ」も550円と加入電話の住宅用プランと同様の料金でオプション利用が可能(オフィスタイプの場合はナンバーディスプレイ1,320円)です。
「ナンバーディスプレイ」+「ボイスワープ」等複数のオプションをご利用される場合は「エースプラン」というセットプランも用意されており、「ナンバーディスプレイ」「ボイスワープ」に加えて「ナンバーリクエスト」や「キャッチホン」などその他のオプションサービス(何を利用するかは選択可能)が複数使えて最大3時間分の無料通話もついて1,000円の追加料金で利用できるのでお得になります。
複数のビジネスホンを利用するような比較的規模の大きい事務所での利用においても、個人事業などでの利用においてもひかり電話は利用しやすくおすすめです。
加えて、2023年の3月31日より新たに「ひかり電話ネクスト」というサービスが開始したことにより、インターネットの契約が無くてもひかり電話がより低価格で利用できるようになりました。
これまでは光回線のインターネット契約が無いとひかり電話の利用は出来なかったため、ひかり電話を電話やFAXのみで利用したい場合には「フレッツ光ライト」(2023年3月31日に新規受付終了しています)というネットをあまり利用しない方向けのプランのオプションとしてひかり電話を契約する必要がありました。
そのため、フレッツ光ライト+ひかり電話の契約で最低でも月額3,630円かかっていたのですが、「ひかり電話ネクスト」であれば2,750円で利用できますので、アナログ加入電話と同等もしくはそれ以下の料金で利用することが可能です。
ひかり電話での電話番号やFAX番号の取得をご希望の方は以下の窓口から取得可能です。
LINEで気軽に導入相談や無料通話も可能ですのでよろしければご活用ください。
IP電話
IP電話はインターネット通信を利用した電話です。
広義で言えばひかり電話やZoom、SkypeなどもIP電話の一種なのですが、ここでは主にインターネットプロバイダなどで提供されている「050」から始まるIP電話のことを指します。
IP電話には以下のようなメリットがあります。
- ネット環境があれば手軽に始められる
- 通話料金が安い
デメリットは以下のようなことが挙げられます。
- 一般の市外局番ではなく「050」で始まる番号のため、良い印象を持たれない場合がある
- ネットの接続環境によって通話品質が良くない場合がある
- プロバイダーを変更すると電話番号も変更になる
- 先方からの通話料が高くなる場合がある
IP電話はインターネットの契約があれば、プロバイダーなどに申し込むことで簡単に始められ、通話料も安い設定になっていることが多いのですが、先方からかけてきた際の先方が負担する通話料がひかり電話や加入電話への通話料とくらべて高くなる場合があります。
そのため、顧客や取引先の目線で考えるとあまり好ましく無いでしょう。
インターネットFAX
インターネットFAXは名前の通りインターネットを利用したFAX送信サービスです。
「eFax」や最近だと「jFax」などが有名です。
スマホやPCからEメールなどを使用してFAXの送受信が可能となります。
メリットとしては以下のようなことが挙げられます。
- スマホやPCでネットが使える環境があれば手軽に始められる
- 一般の市外局番が使えるサービスもある
- 利用場所の自由度が高い
- FAXのみでの利用においてはコストが安い
- FAX機が必要ない
一方で以下のようなデメリットがあります。
- 「050」で始まる番号しか使えないない場合がある
- FAXしたい内容をPDFに変換する必要がある
- 印刷したい場合にはプリンターが必要
- クレジットカード決済しか対応していない場合がある
インターネットFAXはFAX機が必要無いので、FAX機を購入する必要もありません。
そのため導入コストも抑えることが可能です。
ただし、送信したいデータは全てPDFに変換する必要がありますので、スマホやPCの操作に疎い方には少し難しく感じられるかもしれません。
また、送られてきたデータを印刷したい場合には別途プリンターを用意する必要があります。
固定電話が不要で、FAXも送受信さえできて印刷できなくても内容が確認できれば問題ないという場合はインターネットFAXを利用されるのもアリではないでしょうか。
eFaxやjFaxは下記バナーから詳細確認やお申込みが可能ですので参考までにどうぞ。
FAXの代替手段は?
もしFAXを利用しないとなった場合にFAXの代替手段はあるのでしょうか。
FAXの代替手段としては下記のようなものが考えられます。
- クラウドストレージサービス
- FAXアプリ
それぞれ見ていきましょう。
クラウドストレージサービス
Google DriveやDropboxなどのクラウドサービスを使えば、文書の共有や共同作業が容易になります。
ただし、これまで解説してきたように、メールやこういったインターネットを利用したサービスに対応しきれていない取引先との顧客とのやりとりにおいてはFAXが必要となる場面も出てくるでしょうから、これだけでは不十分かもしれません。
FAXアプリ
スマホにアプリを入れることでFAXを送信することができるサービスもあります。
筆者はポケFAXというアプリを利用しています。
筆者の場合は月に1回か2回ほどしかFAXを利用しませんし、送る枚数も1枚や2枚なのでこの無料プランで事足りています。
書類をPDFなどのデータに変換しないといけなかったりの手間はありますが、それもアドビスキャンという無料のアプリを入れれば、スマホで書類を撮影するだけで簡単にPDF化できます。
筆者と同じような状況の方はこの使い方でも良いかもしれません。
ただし、送る枚数が多くなってくるようであれば、有料プランに切り替える必要もでてきますし、いちいちスキャンしてPDF化するのも手間になりますから、その場合はFAXを導入してしまった方が楽でしょう。
まとめ
インターネットや携帯電話・スマートホンの普及に伴い、個人宅でのFAXの需要はほとんどなくなっています。
しかし、法人や個人事業主の場合、取引先や顧客とのやりとりにおいてまだまだFAXが必要とされる場面は少なくありません。
よって、事業を行う上ではFAXはまだまだ必要だと言えるでしょう。
あらたにFAXの導入をされるのであれば、前述まででご紹介した中でも「ひかり電話」か「インターネットFAX」がおすすめです。
最後にひかり電話のお申込み窓口やインターネットFAXの主なサービスをご紹介しておきますので参考にしてみてください。