都市ガスとプロパンガスの違いとは?具体的に解説!

本記事にはプロモーションが含まれている場合があります

暮らしのなかでいつも何気なく使用しているガスには、都市ガスとプロパンガスの2種類があります。

しかし、初めての一人暮らしなどで生活を始める上で、都市ガスとプロパンガスの具体的な違いについてはわからないという方も多いのではないでしょうか。

  • 都市ガスとプロパンガスの違いって何?
  • 都市ガスとプロパンガス、料金はどっちがお得?

このような疑問にお答えするべくこの記事では、都市ガスとプロパンガスの違いについてご紹介した上で、都市ガスとプロパンガスを比較し、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

また、両者の見分け方やガス料金を安くする方法、引っ越しの際に必要なガスの手続きについても解説していきます。

ぜひ参考にしてみてください!

目次

都市ガスとプロパンガスの違いとは?

それでは早速ですが、都市ガスとプロパンガスの違いと特徴を解説していきます。

都市ガス

都市ガスの特徴は、メタンを主成分としたガスを、地下に存在するガス導管を通して各家庭に供給する点です。

従って、ガス導管が自宅近くに通っていない家庭では、都市ガスを利用する事が出来ません。

そのため、都市ガスの利用を検討する際には、まずガス導管が自分の住んでいる地域に通っているのかを、確認する必要があります。

2017年4月の都市ガス自由化以降、それぞれの都市ガス会社で、ライフスタイルの違いや家族構成・月々のガス使用量に応じた、様々なガス料金プランや独自のサービスが提供されています。

都市ガスの利用料金は、1ヶ月のガス使用量に応じて段階的に変動する仕組みとなっており、1㎥当たりの単位料金は原材料調整制度に基づく調整を受けて、毎月変動するのが特徴です。

都市ガスは、ガス導管からのガス供給によって人件費が節約出来る為、プロパンガスを利用する場合より、ガス料金が安く済む傾向にあります。

その代わり、プロパンガスから都市ガスを利用する際には初期工事費用と、1~2ヶ月ほどの工事期間が必要となります。

プロパンガス(LPガス)

プロパンガスはその名の通り、プロパンやブタンが主成分の、液化石油を原料としたガスです。

プロパンガスが持つ強みとしては、都市ガスの様に利用地域に関する制限を受ける事無く使用可能である点や、大きな初期費用がかからない点、そして災害時の復旧が早い点があります。

また、プロパンガスを使用する上で特筆すべき点としては、入居時にプロパンガス会社に対して保証金を預ける必要がある事が挙げられます。

これは、入居者がガス料金を未納のまま退去した際に、プロパンガス会社側に発生する損失を補てんする為に誕生した制度です。

しかし、あくまで各プロパンガス会社が定めている取り決めであって、法的な支払い義務はありません。

プロパンガスは、長い間自由料金制となっており基準となる値段が存在しなかった事から、ガス料金は都市ガスを利用するケースと比べて、高めに設定されているケースが一般的です。

更に賃貸物件の場合、契約するプロパンガス会社は大家さんにより決定されます。

そのため、都市ガスの様に自分が気に入った料金プランを持つガス会社と契約する、といった選択肢が取れない点がネックであると言えます。

都市ガスとプロパンガスそれぞれの特徴

都市ガスとプロパンガスは、価格、供給方法、原料・成分、ガスの重さなどに違いがあります。

スクロールできます
都市ガスプロパンガス(LPガス)
原料・成分液化天然ガス(LNG)液化石油ガス(LPG)
供給方法地下を通るガス導管各物件に設置してあるガスボンベ
重さ空気より軽い空気より重い
熱量小さい(10,750Kcal)大きい(24,000Kcal)
供給エリア都市部のみ全国
災害時の復旧時間がかかる早い
料金プロパンガスに比べて安い都市ガスより高い

都市ガスの方がプロパンガスより安価

一般的に都市ガスのほうがプロパンガスよりも料金が安い傾向にあります。

一方プロパンガスは、以前より会社ごとに自由に価格を設定できるようになっており、ガス会社や地域によって価格の差が大きく、高額になるケースがあります。

供給方法が異なる

都市ガスは地下に埋められたガス導管を通ってガスを供給していますが、プロパンガスは各家庭、物件にガスボンベを配置して供給しています。

そのため、プロパンガスでは定期的にガスボンベの交換が必要となるなど、ガスの供給方法に大きな違いがあります

それぞれの原料・成分が異なる

都市ガスはメタンを中心とした液化天然ガス(LNG)を使用していますが、プロパンガスはプロパンやブタンを主成分とした液化石油ガス(LPG)を使用しています。引っ越しなどで物件情報などをチェックした際にLPガスと記載されている場合は、プロパンガスを意味しています。

ガスの重さが異なる

都市ガスは空気よりも軽いため、ガス漏れ時は窓を開けることでガスを外に出しやすくなります。

一方、プロパンガスは正反対で、空気よりも重いです。ガス漏れすると部屋の床面にガスがたまるため、ほうきなどで掃いて外に出す必要が出てくるのが特徴です

都市ガスのメリットとデメリットは?

都市ガスとプロパンガスの違いについて順番にみていきましたが、それぞれどのようなメリットやデメリットがあるのか気になりますよね。

ここでは、都市ガスを利用するメリット・デメリットを解説します。

まずはメリットから

  • 料金がプロパンガスに比べて安い
  • 環境への負荷が小さい

メリット①料金がプロパンガスに比べて安い

都市ガスのメリットは、ガス料金が比較的安い点です。都市ガスはかつて、原価を基準としたうえで報酬率を上乗せして価格を決める「総括原価方式」で料金計算が行われていました。

上述のとおり、2017年のガス自由化によって自由に料金設定ができるようになったものの、ガス会社ごとの年間の使用料金にそれほど大きな差はありません。

料金については、現在の都市ガスは、基本料金+従量料金(単価×ガス使用量)で請求金額が決まります。

また、プロパンガスと違って人件費や配送費などのコストが抑えられることも料金が安い理由のひとつです。

地中の導管を通してガスを届けるため、ボンベの輸送や点検などの人件費や配送費がかからず、結果的に利用料金が安くなります。

メリット②環境への負荷が小さい

都市ガスの原料はメタンが主成分である液化天然ガス(LNG)です。

天然ガスは、石油や石炭に比べて、燃焼後の二酸化炭素や窒素酸化物の排出量が少なく、環境にやさしいエネルギーです。

また、硫黄酸化物や窒素酸化物などの大気汚染の原因になる有害物質の排出量が少ないのが特徴です。

続いてはデメリット

  • 災害時の復旧など復旧に時間かかる
  • 提供エリアが限られている

デメリット①災害時の復旧など復旧に時間かかる

都市ガスは地下の導管を通してガスを供給しているため、災害時にガス管が破裂した場合、復旧に時間がかかります。

エリアごとにガス管を検査して復旧させる必要があり、点検や工事が大掛かりになるからです。

大規模災害の場合には2か月程度復旧に時間がかかったケースもあり、災害後の復旧スピードには課題があります。

デメリット②提供エリアが限られている

都市ガスが利用できるエリアが限られているのもデメリットのひとつです。

都市ガスは基本的に都市部の人が多く住むエリアに提供されており、郊外や地方では普及が進んでいません。

都市ガスの導管の工事には莫大なコストがかかるため、人の少ない地域に設置すると採算がとれないからだと言われています。

たとえ都市ガスに切り替えたくても、そもそも都市ガスが通っていない地域では選ぶことができないのです。

プロパンガスのメリットとデメリットは?

都市ガスのメリット・デメリットについて順番に解説しましたが、続いては、プロパンガスのメリット・デメリットについて解説していきます。

まずはメリットから

  • 災害時の復旧が早い
  • 全国どこでも利用できる

メリット①災害時の復旧が早い

プロパンガスのメリットの最大のひとつは、災害に強いという点があります。

プロパンガスは各家庭に設置されたガスボンベさえあれば使用できて、大掛かりな工事を必要としません。

そのため、災害が起こっても即座に復旧しやすいというメリットがあります。

例えば、オール電化であれば電力の復旧まで待たなければいけません。

プロパンガスの場合はボンベを交換すれば速やかにガスの利用が再開できるため、復旧スピードが早くります。

メリット②全国どこでも利用できる

プロパンガスは利用可能エリアを気にせずに、全国どの地域でも使える点もメリットです。

設置したガスボンベから直接ガスを引くため、導入にあたっての大規模な工事が必要ありません。

導入時の工事費用を含む初期費用は毎月のガス利用金額に上乗せされるため、支払いもひとつにまとめられていて簡単になります。

続いてはデメリット

  • 料金が都市ガスに比べて高い
  • 環境への負荷が大きい

デメリット①料金が都市ガスに比べて高い

デメリットのひとつは、都市ガスと比較して、ガス料金が高めな点にあります。

プロパンガスではガス会社が自由にガスの使用料金を設定できるため、会社によって使用料金に差があります。

料金の計算方法は3種類です。

・二部料金制 基本料金と従量料金の合計で決まる

・最低責任利用料金制 一定の利用料まで料金が固定され、それを上回った場合には従量料金となる

・三部料金制 基本料金+設備利用料金+従量料金で計算される

プロパンガスはガス会社が自由に料金を設定できることから、ホームページ上にも料金が載っておらず、見積もりを取らないと正確な料金がわからないこともあります。

デメリット②環境への負荷が大きい

プロパンガスの燃料は、液化石油ガス(LPG)です。プロパンガスのほうが、燃焼時の二酸化炭素の排出量が都市ガスに比べて多くなります。

石炭や石油を燃やしたときと比較すると、プロパンガスを燃やしたときの二酸化炭素の排出量は少ないですが、より環境へのクリーンさを求める場合には、都市ガスを選択したほうがよいでしょう。

都市ガスとプロパンガス、どちらを選ぶべき?

都市ガスとプロパンガスのどちらを選ぶのが正解なのかは、それぞれのガスのサービスに対して何を求めるのかによります。

「様々な料金プランの中から自分に最適なものを探したい」「出来る限り月々のガス料金を抑えたい」と考えておられる方には、都市ガスの利用がおすすめです。

逆に、「ガスの火力を重視したい」「災害が起こった場合でもガスが問題なく使える環境を整えたい」といった方は、プロパンガス会社と契約するのが良いでしょう。

結論:料金を安くしたいなら都市ガスがおすすめ!

ガス料金を安くしたい場合には、都市ガスを利用するのがおすすめです。

もし、プロパンガスを利用していてガス代が気になるときには、都市ガスに変更することでガス料金を安く抑えられることがあります。

ただし、都市ガスは人口の多い都市部でのみしか利用できないため、お住いの地域で都市ガスが対応しているかを必ずご確認ください。

また、プロパンガスから都市ガスへの変更は、基本的に賃貸物件のオーナーか、ご自身の持ち家でなければできません。賃貸物件のマンションやアパートにお住いの場合には、住人が自由に変更できないことが多いです。

ガスメーターが物件ごとに付いていない場合や、利用するガス会社が契約で決められている場合などが考えられますのでご注意ください。

都市ガスが使えない地域でガス料金を抑えるには?

プロパンガスは2017年に自由化になった都市ガスとは違い、古くから自由料金でした。

そのため、販売店によって料金設定はさまざまです。

販売店を変えるだけで倍近く料金が変わるケースもあるので、複数の販売店を見て比較検討することが大切です。

また、プロパンガスの場合にはホームページに料金が載っていないこともありますので、複数社気になるガス会社がある場合には、電話で問い合わせて見積もりをもらいましょう。地域の相場やサポート体制を把握することで、お住いの地域と条件に合ったプロパンガス会社がみつかります。

なお、アパートやマンションではすでに契約しているガス会社の関係から、世帯ごとにガス会社を変更することはできません。引っ越し後のガス代が心配な場合には、引っ越し先検討の段階で、その物件が利用している販売店はどこなのか確認する必要があります

一戸建ての方はガス会社変更で料金を安くしよう!

持ち家(一戸建て)の場合は思い切ってガス会社の変更を検討するのがおすすめです。

今より料金が安い業者を見つけることができれば、使い方や生活環境を変更せずにガス料金を下げられます。

この記事は執筆された時点での情報を元に記載されております。文書・写真・イラスト・リンク等の情報については、慎重に管理しておりますが、閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。 記載内容や権利(写真・イラスト)に関するお問合せ等はこちら

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

2015年に上場企業へ入社し、営業組織やWEBマーケティングチームを立ち上げました。
みんながポイントを分かりやすく理解できるように考えてきた経験をもとに、生活に役立つ情報をお伝えします!

目次